プロジェクトの萌芽
今までの延長線上にはない、
新たなビジネスモデルを考えよ。
2022年の創業50周年を控え、次の50年に向けた新生オーヴァル・グループの未来を規定すべく招集された理念策定プロジェクト。2019年9月からプロジェクト定例が始まり、年内いっぱいかけて文言等がまとめられていった。翌2020年には、そこに具体的な戦略や方向性を加味し、「理念」「ビジョン」「ミッション」「行動指針」の4つの階層に構造化されて正式リリースとなった。とりわけ「ミッミョン」に記された『Creative Incubator』という言葉には、グループの不退転な決意が強く込められている。すなわち、我々は常に新しい事業を生み出し続けなければならない、と。事業創造の一つのベクトルは、既存領域での事業創出であり、もう一方は、未知の領域でのビジネスインキュベーションを意味する。その後者を全面的に担っていくのが、OS TRUSTという会社であり、川端というアントレプレナーなのだ。「辞令は突然でしたね。昨日まで営業企画のマネージャーをしていて、明日からOS TRUST社に異動して全く新しいビジネスを立ち上げろと。驚きというより、遂に来たな、という静かな高揚感が湧きました。ちょうど仕事で暴れたくでウズウズしていたので」。
プロジェクトの現在地
投資という新たなスキームで
年間10%の利益を獲得せよ。
2020年3月、川端はOS TRUST社の投資事業開発室に転籍した。着任時はたったの一人。後にファイナンス面で、当時経理部(現・eスポーツ事業推進室)の森(PERSONページ参照)と協働体制を組むこととなる。「証券会社時代の人脈や目標達成意欲、留学時に習得した経営学の知識や語学力、当グループにおける経理、経営企画、海外事業、営業本部での経験等、かつてのあらゆるビジネス体験が、この使命遂行のためにあった。そんな気がしています」。川端らに課せられたミッションはシンプルに2つだけ。一つは、投資という新たな事業スキームを確立すること。もう一つは、投資対利益率10%の達成である。つまりこれ以外は、どんな分野に投資しようが、どんな手段を選択しようが、誰と組もうが、全ては川端の裁量なのだ。「この世界、情報が命なので、その収集については徹底的に強化しています。日系金融機関だけではく、外資系のプライベートバンクや証券会社とのパイプがぐっと太くなりました。おかげさまで、欧米のみならず、最近注目されている中近東マーケットの情報も精度高く入手できるようになってきました」。アメリカへの株式投資を手始めに、一歩先行く投資運用戦略が実行フェーズに移ったのだ。
プロジェクトの未来
事業投資をビジネスの柱に育て、
多彩な事業シナジーを生み出せ。
繰り返しになるが、オーヴァル・グループは『Creative Incubator』を表明している。故に、利益を稼ぐためだけの道具として、投資運用事業を推進するわけでは決してない。「スタートアップ投資にしろ、M&Aにしろ、例えば業務提携や経営参画といった“投資対象企業との未来の関係性づくり”をイメージできるかどうか?が重要な判断材料になってきますね。お金を切り口に、人や技術や想いを交流させて、共に進化していける。そんなパートナーシップを確立させてこその『Creative Incubator』だと思っています。年10%の利益はマストで達成しつつ(笑)」。そして新規事業領域。2021年に立ち上がったeスポーツ事業において、一般社団法人化及び事業立ち上げにおいて森(PERSONページ参照)と、マーケティング領域では鎌内(PROJECTページ参照)と、教育分野では直属部下に富田(PERSONページ参照)を迎え、挑戦的なビジネステーマに取り組んでいる。この先もAI・ロボット含むIT分野、バイオ・農業分野、飲⾷・エンターテインメント分野…。川端はどこで新規事業を孵化させ、既存事業とどんなシナジーを生み出していくのだろう。